お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

*






………と心に決めたのは良かったんだけどなぁ。

今はあれからおよそ、3時間経った頃。
ちょうどお昼の時間帯。





「夏奈ちゃん、もう諦めようかな……」

「うっ、だ、だよね……。そうなるよね……。」


既に私と夏奈ちゃんは “おつかれ諦めモード” 。


───なぜかって?



「正直、みっくんが予想以上に囲まれすぎてて……」

「もはや見えなかったもんね…」


理由はただ一つ。
みっくんが人気者すぎるせい。

あれから、隙あらば!とみっくんへの接近を試みたんだけど、

みっくんの周りの人垣が厚すぎて、接近どころかみっくん自身を見ることさえほとんど出来なかった。



せっかくビキニ着てるのに。
みっくんのために買ったのになぁ。

せめて、気づいてほしかったな……。



私が肩を落としていると、なにかに気づいたように夏奈ちゃんがパッと顔をあげて、


「ひまり、まだチャンスはあるかもよ?」


「ほぇ?」


「ほら、今からB・B・Qじゃん!!コンロは4組と一緒に使うんだから、ね?!チャンスあると思わない?」



そ、そっか!

2日目……今日のお昼ごはんはバーベキュー。バーベキューコンロは数に限りがあるから、ふたクラスで8つ使うって先生が言ってたはず。

特にバーベキューの班分けもなかったから、自由に動いていいはずで………


うまくみっくんと同じグループに入れたら、たしかにおのずと話す機会だって………!