どうしよう……。
でも、何か話さなくちゃ。


「美結ちゃんとみっくん、す、すごくお似合いだし!休日にデート……なんて、仲良しなんだねっ」

笑顔を浮かべてそう言うと。


「うざ」


吐き捨てるように、そう言ったみっくん。
その、たった二文字がグサリと心に突き刺さる。


「ご、ごめ……」

「おまえ、ほんとうざい」


慌てて謝ろうとするも、遮られ、みっくんは私から体ごと顔を背けてしまった。


………そんなに気に障ることを言ったかな。



自分の言動を振り返っている間に、みっくんは美結ちゃんを連れて去って行ってしまった。

まるで、何事もなかったかのように。



「み、みっく………ん」


呼びかけても、もう振り向いてなんかくれない。

………苦い。

やっぱりブラックコーヒーだ。



「………ひまり、」

一部始終を見守ってくれていた夏奈ちゃんが、私の名前をおずおずと呼んだ。