みっくんと目が合うのが好き。
みっくんの優しい目が好き。
昔、私がどれだけドジなことをしても、呆れずに手を差し伸べてくれた、そのときの優しい目が大好きなんだ。
………じわり、と懐かしい感覚に心が染まる。
それでも、みっくんは黙り込んだままで。
「あ………み、美結ちゃんと一緒!なんだねっ!?美結ちゃんほんと……可愛いよねっ!」
なんとか話題を作ろうと、美結ちゃんの名前を借りると、みっくんがちょっと反応したように見えて。
……よし、この調子で………!
「美結ちゃん、ほんと可愛いよね……!お肌なんかスベスベだし、身長だってスラッと高いし、憧れちゃうなぁ〜……」
「………。」
みっくんはまだ黙ったまま。
でも、間違いない。今は、私の話をちゃんと聞いてくれている。
「こんな可愛い彼女がいて、みっくん幸せだねっ……!」
「………っ…」
……あれ?
今私、おかしなこと、言ったかな。
みっくんの視線の温度が、急激に下がったような気がした。
ついさっきまで、“優しい” と感じていたのが嘘みたい。



