……いいのかな、ほんとに……話かけても。
だって美結ちゃんと一緒にいるのに、迷惑、だよね……?
みっくんは、きっと嫌がる……んだろうけど。
─────── 「…みっくん!」
みっくんが、私の横をすり抜けようとする瞬間、思わずみっくんを呼び止めてしまった。
ピタリ、とみっくんが足を止める。
や、やっぱり……迷惑、だったよね。
でも……私にはできないみたいだ、みっくんにせっかく会えたのに話しかけないなんて。
みっくんが、鬱陶しげに、ゆっくりと私の方を振り向く。
それから、私の存在を確かめるかのように、視線で頭のてっぺん、顔、腰、足、つま先……と上から下へとなぞられて。
「…ぐ、偶然だねっ!こんなところで会うなんて……」
その視線と沈黙に耐えられなくなって、慌てて口を開いた。
私の声に、ふっと顔を上げたみっくんと視線が絡む。
「………っ」
……気のせいかな。
最近、私に向ける視線はずっと冷たかったのに、今のみっくんの視線は、ずっと優しく感じる。
こうやって、ちゃんとみっくんと目線が合うの……、いつぶりなのかな。



