それに、
「みっくんには、いっぱい彼女さんがいたじゃん……!私は彼女にはしてくれなかったくせにっ」
他の女の子と、一体なにが違って、どこが悪いのか、何回も考えたんだよ。
「ちゃんと、全員と話して、けじめつけてきたから。他のやつらとおまえは……なんつぅか、全然違うんだよ、勝手が」
でも……でも、だって。
「みっくんには………本命の女の子がいるって、」
聞いたから。
だから、ずっと黙ってみっくんのことを想い続けて来たのに。
「……いい加減気づけよ。その相手が……、おまえなんだってこと」
あぁもう、疑ってばかりで考えることに疲れてしまった。
………ねぇ、
こんな夢みたいなこと、信じてもいいの?
「………ほんとに?」
疑るように、みっくんを見上げると。
「嘘じゃねーよ。ひまりが、ひまりだけが、好きだ。いちばん好きだよ」
甘くて、甘すぎて、胸焼けしそうな
みっくんのセリフ。
本当に信じられなくて、私は自分の頬を強くつねった。
「痛………い……」
ほろり、と涙が溢れる。
一度溢れると、それはもう止まらなくて。
ぼろぼろとすごい勢いで流れ落ちていく。
「ちょ………っ、なんで泣くの」
そんな私に、みっくんは戸惑ったように声をあげた。
なんでって………そんなの。
そんなの。
「みっくんが、好きだからだよ」
「………は?」
みっくんがきょとんと、瞬きをしている。
みっくんの、こんなにマヌケな顔、今まで一緒に過ごしてきた中で初めて見たかもしれない。



