しばらく、にやけていると、みっくんが私を小突いた。
「おい、そろそろ帰るぞ」
「えっ、もう帰るの?」
もうちょっとみっくんといたくて、思わず口に出してしまう。
口に出してから、少し恥ずかしくなったけれど。
「このままここに居ても仕方ないだろ」
みっくんの言葉は的確すぎてぐうの音も出ない。
ごもっともです……。
それから家までの道を特に何も話すこともなく、歩いていたんだけれど。
みっくんがふと、何気なく私にたずねてきた。
「なあ、おまえ結局、なんてお願いしたわけ?」
ずいぶん迷ってたみたいだけど、と。
何気なく投げかけられた質問に、私はたじろいだ。
だって、私のお願いごとって、みっくんのことなんだもん。
………うーん、だけど、隠すほどのことでもないかも。
よし、と心を決めて、みっくんに素直に教えてあげることにした。
「あのね、」
でもいざ、言葉にしようとすると照れくさくなっちゃって。
顔に熱が集まるのが自分でもわかる。
そんな私のことを、不思議そうに見つめていたみっくんに告げる。



