お願いごと、かぁ………。




スイーツをいっぱい食べたい、とか。

頭が良くなりますように、とか。



細かく考えれば、どれもこれも願いごとだけど、でもあまりピンとこない。





うーむ………と真剣に考え始めた私を、みっくんが優しい目線で見下ろしているのを気配で感じた。




まるで、私のことを、大切だと思っているような、そんな慈しむような視線。




人が混みあっているせいで、触れ合っては離れる肩の体温。




どう考えても、みっくんとこの距離でいられる今は、満たされていて、幸せだと思う。




そんなことを、あれこれ考えているうちに自分たちの順番が回ってきた。



………まだ神様へのお願いごとは定まっていない。




うーん、と踏みとどまった私より先に、

みっくんが二礼二拍手一礼をする。




そして、目を閉じて。




………そんなみっくんの姿を、気がつけばじぃっと見つめていて。



そして、



「あ………」




見つけた、私が神様に頼みたいこと。