お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


「だったら、棚橋くんが知らないひまりを見せたらいいんじゃない?って思ったんだよね!」

「みっくんが知らない、私………?」


私の知らないみっくんはいるけれど、
みっくんが知らない私……って……。


「だから一緒に選んであげたんじゃん!」

「ほぇ……?」

「み・ず・ぎ!!」


水着………?

イマイチ夏奈ちゃんの言いたいことがわからなくて、首を傾げると、夏奈ちゃんはため息を一つ。


「ひまり、ビキニ初めてなんでしょ?」

「うん…?」

「ってことは、棚橋くんはビキニを着たひまりを見たことないんでしょ?」

「うん」


っていうか、小学校以来、一緒にプールになんて入る機会がなかったから水着すらほぼ見たことがないんじゃないかな。


「だから、今まで見たことがない姿を見たら、思わず声かけちゃうんじゃないかなーって思うんだけど」

「………なるほど」


そっか………、そういうものなのかな。
ビキニには、そんな効果があったのかぁ。


そう考えると、ビキニを着ることにも抵抗がなくなってきたかも。


「が、がんばって、着てみようかな………」