お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


注文して、店員さんが厨房のほうへ戻っていったと同時に夏奈ちゃんが口を開いた。


「いやー、買ったね〜」

「ほんとに……こんなに一気に買い物したの初めてかも……」


現に、今、私たちの座っている横には、大量の買い物袋が。

……多すぎて、途中から持って歩くのが大変だったんだよ。


「まぁ、可愛い水着も買えたことですし!」



ニヤリ、と効果音が付きそうな笑みを浮かべて夏奈ちゃんが言う。

………たしかに、夏奈ちゃんの買った水着は、可愛かったし、よく似合ってたけど。



「……あれ、本当に着るの……?」


問題は私だ。

ううん、夏奈ちゃんの見立てで選んだこともあって、水着自体はすっごく可愛いんだよ?デザインも私好みだし。


ただ……
私、絶対水着負けする……!

水着に着られてる感が半端なかったんだもん……!


「なーに言ってんの!着るに決まってんじゃん!」


………ですよね。
そのために買ったんだもんね。