お前のこと、誰にも渡さないって決めた。


例えば……

「水着って、やっぱり中学のときのじゃ……ダメだよね………?」

そう、水着とか。

でも、私は、悔しいことに中学生のときから身長が伸びていないから、中学のときの水着でも着れるんだよね。


「何言ってんの!ひまり、ビキニ着たことないんでしょ?」

「うぅ……」


……それが嫌なの。
だって、私ってスタイルもあんまり良くないし……その………胸、だって、あんまりないし……。


「だーいじょうぶ!なに心配してんのかわからないけど、私が似合うの一緒に選んであげるから!」

「お、お願いします……」


夏奈ちゃんの笑顔を前にして、『ビキニ自体に抵抗がある』とは言えなくなってしまった。


「じゃー、そうと決まれば、じゃんじゃん買い物していくよー!」

「……わっ!」


そんなこんなで、夏奈ちゃんに腕を引っ張られダッシュして、無事に(?)買い物が始まりました────。



*


午後2時。

私たちは、昼食とお茶を兼ねて、ショッピングモール内のカフェで食べることに。

ちょうど店が空いていて、待たずにすんなり座ることができた。