そう思ってるってこと、少しでもみっくんに伝わればいいのに────、と思いを込めてみっくんの瞳をじっと見つめた。
みっくんの瞳がゆらり、と甘く揺れる。
何気なく訪れた沈黙。
窓の外の日はもう傾いていて、私とみっくんの影の間には茜色の夕日が差していた。
その茜色を見ているうちに、どうしようもない思いが募る。
すき、と言葉にしそうになった直前、みっくんがすっと口を開いた。
「おまえに、言わなきゃいけないことがある」
茜色に染められた瞳で私を射抜いて。
真剣味を帯びた声で私の心を揺らす。
「おまえに、嫌いって、言ったけど」
高校に入ってから、幾度となく言われてきた、みっくんからの嫌い。
気丈に振舞っていたけれど、あれでも、結構毎回ショックを受けていたんだよ。
今その話を持ち出して、みっくんは何を言うつもりなの。
「嫌いって言ったの、全部嘘だった」
「へ、」
「嘘っていうか、ずっと勘違いしてたんだ俺」
ま、待って。
どういうこと。
混乱する私をよそに、みっくんは話を進めていく。



