私がそう言うと、みっくんは頷いた。
あさっての方向を見ながらいろいろ考えていたけれど、説明はちゃんと聞いてるよ……!
だって、せっかくみっくんに教えてもらってるんだから。
そして、みっくんの解説を参考にしながら、手強い英文を訳していく。
さっきより遥かにすらすら解けることに感動しながら、ふと思った。
みっくんって頭がすごくいいの。
今は英語を教えてもらっているけれど……ほんとうは、英語だけじゃなくて、
国語も数学も、物理も化学も世界史も、みっくんはなんだって得意なの。
そんなみっくんは………。
「ね、みっくん」
英文をなんとか訳し終えて、肩の力を抜いた私はシャーペンを置いてみっくんを呼んだ。
顔を上げたみっくんも、シャーペンを置く。
「みっくんは、理系?文系?どっちを選んだの?」
ちょっと気になってしまって。
気になってしまったら、聞かざるを得ない。
「理系」
みっくんが即答する。
「そっかあ………」
「おまえは?」
みっくんに聞き返されたことに驚きながらも、
「私は文系だよ、」
答えて。
そして、ふと考えた。
そうだ、理系と文系だったら同じクラスになれないんだった………!!
気づいた事実に、はああ、とショックを受けていると、みっくんがまた質問を重ねる。
「進路とか考えてる?」
「や………私はまだまだ全然。みっくんは?」
みっくんもそうだろうな、なんて勝手に思っていたのに返ってきた返事は予想と違っていた。
「俺はとりあえず大学に進学しようと思ってて………なりたい仕事があるから」
「そ、そうなの!?」
思わず声を上げる。
みっくんに将来の夢があったなんて。
衝撃を受けたと同時に、そっか……と腑に落ちた。



