『で、どこ?』



みっくんの質問に首を傾げた。




『だから、どこがわかんねーのって聞いてんの』


『あ……えっと、この問題なんだけどね…?』





指差した問題を、みっくんはつっ……と目でなぞって。



その一瞬でみっくんは理解したようで、それから私が理解するまで教えてくれたの。





それからは、わからない問題が出てくるたびみっくんを呼び止めているんだ。


………みっくんも勉強しているのに、いいのかな、とは思うんだけれど。





「あの、次はさっきの応用問題なんだけど、ここまではわかったんだけど、ここからがわからなくて………」





再びみっくんを呼び止めていた私は、プリントの問題文を指差してたずねる。



英文を和訳する問題なんだけど、わからなくて。





「あぁ、これは、この that が同格を表していて──────」





みっくんが、すぐさま説明を始める。



私は、みっくんって本当にハイスペックなんだなぁ、と関心するばかり。




だって問題文をさらっと読んだだけで理解して、それだけでも凄いのに。




そのうえ、理解力の乏しい私がわかるまで、丁寧に噛み砕いて説明してくれる。


そんなみっくんの説明は、ほんとうにわかりやすい。





ずっと一緒に育ってきたのに、どうしてこうも差ができてしまったのか不思議に思うほどだ。




そして、今日は格別に優しい気がする。

それは気のせい、かな。





「……というわけ。なあ、聞いてる?」



「き、聞いてるよ!!ここが倒置法になっていて、強調なんだよねっ?」