でも、すっかり集中しているみっくんのことを、わざわざ呼ぶのもどうかと思って。
だって邪魔って思われたくないんだもん。
だから、自分であーでもないこーでもない、と、しばらく考え込んでいたんだ。
そして、考えれば考えるほどわからなくなってきて、諦めそうになった、そのとき。
『なあ、』
目の前から、不機嫌な……というより拗ねたようなみっくんの声が聞こえて、思わず顔をあげた。
きょとん、とした私にみっくんは呆れたようにため息をついて。
『わかんないとこあったら、俺のこと呼べって言ったよな?』
その言葉に思わず目を見開いた。
え、なんで気づいて─────……。
もしかして、様子を見てくれてたの?
いつから…?
『やっ、あの、いっぱい質問したら邪魔かなって思って………!』
慌てたように私が言うと、みっくんはますます拗ねたような表情になった。
『邪魔とか、そんなこと思わねーから』
『え……』
『だいたい、邪魔とか思うくらいならわざわざここにいねーし。それじゃ、俺がここにいる意味ねーだろ』
ぶつぶつと言葉を連ねていくみっくん。
な、なんか責められてる………?
『頼ればいいのに』
『ほぇ………』
『俺のこと頼れよ、もっと』
あまりにも真剣な声で言うから、私は思わずこくりと頷いた。
『だから、俺のことだけ考えて』
昔みたいに、と小さく呟いたみっくん。
私に聞かせるつもりはなかった独り言だったのか、私が不思議そうな表情を見せても、もう一度聞くことはできなかった。



