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────キーンコーンカーンコーン……



放課後のはじまりを告げるチャイム。


いつもは、この音と同時に教室を出るんだけど……




「ごめんひまりっ、今日塾の模試で帰らなきゃなんだ!補習頑張って!」



「そ、そっか……、頑張るね!」





夏奈ちゃん帰っちゃうのか……。


少し寂しい気持ちになったけど、笑顔を向けて頷いた。



そして、夏奈ちゃんは慌てたように教室を出て行ってしまった。





私は、ふぅ……とため息をつく。

今日は、もう何度目かわからないほどのため息。





そう、今からここで英語の補習。


英語の担当の先生─────実は、みっくんのクラスの担任なんだけど……の先生が来るのを待っているところ。




できるだけ早く終わらせて帰りたいんだけどなぁ、と思ったとき、教室の扉がガラガラッと開いた。




「花岡───、いるかー?」



「はいっ!」