お前のこと、誰にも渡さないって決めた。



そんな私の様子を見て、ほっと息をついた夏奈ちゃんは。



「まあ、まずは補習ファイト!」



私にイヤなことを思い出させる。



そ、そうだった………まずは補習!



付きっきりで教えてもらえると思って、ちょっとでもポジティブに考えて、頑張らなくちゃ……。




*





『あっちゃー……、ひまりって本当に鈍いよね?ひまりを喜ばせようと思って言ったのにな~……だって、』



夏奈ちゃんがさっき途中で呑み込んだ続きを私が知るのは、まだ先のこと。





『だって、私見ちゃったんだから。

文化祭の日、浅野と呼び込みに行ったひまりを物凄い勢いで追いかけに行った棚橋くんのこと』