今まで来るもの拒まずだった、あのみっくんが……?
突然……?
「なんでそんなこと………」
うわごとのように呟いた。
だって、みっくんはなんの理由もなしにそんなこと絶対しない。
それが女の子たちを傷つけることになるってわかっているもの。
みっくんは優しいから、きっとそんなことを平気ではできないはず。
だから、余計にわけがわからなくて。
頭の中が疑問で埋め尽くされたとき、夏奈ちゃんが口を開いた。
「私の憶測だけど……、」
“憶測” と言いつつも、夏奈ちゃんの声色はどこか確信めいていて。
……それに、こういうときの夏奈ちゃんの勘とか予想って大概当たるから。
今度もきっとそうだろうと思って、夏奈ちゃんの言葉の続きに耳を傾けた。
「棚橋くん、本命の女の子ができたんじゃないかな?」
「本命の……女の子……?」
夏奈ちゃんの言葉を繰り返す。
言葉の意味がわからなかったんじゃない。
意味くらいわかる………わかる、けど。
たぶん、認めたくなくて。



