からかうように、小突いてくる夏奈ちゃんに、私は猛抗議。
「ちっ、違うよ!!みっくんとは、なにもないし……!そんなんじゃないってば!」
「……顔真っ赤だけど?」
「っ!?」
慌てる私の様子を、ふふ、と笑みをこぼしながらおかしそうに眺める夏奈ちゃん。
────夏奈ちゃんの指摘は、半分当たりで半分はずれだ。
“なにもない” わけじゃなかった。
だけどそれは、夏奈ちゃんが考えているような “いいこと” ではなくて………。
文化祭での出来事。
あれ以来、機会がなくてまだみっくんと話せていない。
きっと、私が怒らせてしまったことは確かで。
それを早く謝らなきゃ……っ、て思ってはいるのに。
そのことをぐるぐる考えて、そこから派生して、みっくんのことを思い出して胸がきゅっとしたりして、あぁ好きだなぁって実感して。
なんてことを繰り返していて、勉強がまったく進まなかった日があったのは事実。
その結果、補習とか……
情けないなぁ、と悲しくなっていると。
「そうだ、ひまり知ってる?」
「な、なにを?」
いきなり夏奈ちゃんが興味津々といったように私の顔を覗き込んで。



