「俺だけが好きって言えよ」


「っ」



“だけ” をやけに強調して。

命令口調なのに、どこか弱々しくて。




苦しげに告げられた言葉に、私の胸まできゅう、と苦しくなる。





わかってないよ、みっくんは。


もうずっと前から、
みっくんだけが好きなのに。



みっくんだけが好きで、好きで、
もうおかしくなりそうなのに。




何もわかってないよ。




今すぐ大好きだって伝えたくて、
でもまだ潔く振られる勇気なんて出てこなくて。



伝えたくても伝えられない気持ちがそこはかとなく湧き出てくる。



心のダムは決壊して、もう洪水状態だ。





「…………ばか、」




みっくんのばか。

聞こえないように小さく呟いたと同時に、封じきれなかった想いは涙になってほろりと零れた。




どうしたら伝わるんだろう、


だれよりも、大切に思ってるってこと。





伝えたいのに、態度じゃ全然伝わらない。






ほろり、ともう一粒涙の粒が落ちたとき、みっくんが私の涙に気づいた。



はっ、としたように顔色を変えて。