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「やっぱりムリだよ〜っ、脱ぎたい〜!」


「ほら、ひまり、はやく教室入らなきゃ!可愛いんだから自信持ちなって〜」




渋々ながら着替え終えた私は、夏奈ちゃんに引っ張られながら教室の前まで来た。



いつまでもグズグズしている私の背中を、夏奈ちゃんがぽん、と押して。




油断していた私は、その拍子に教室の中へと入ってしまった。




「うわああっ、ひまりちゃん可愛すぎ!」


「花岡レベルたけーな………」


「これはやばいって〜」





待ち構えていたように、ざわめく教室。



え、え。

何がなんだかわからなくて、きょとんとしていることしかできないけれど……。




そんな私の元に、衣装を作ってくれた女の子が歩み寄ってきた。


そして、私の頭に “何か” を付ける。




「よしっ、これでカンペキッ♪」


「………ほんとに、コレ大丈夫なの?」




私の怪訝な表情もお構いなく、その子はバッチリ、とでも言わんばかりに満面の笑みでOKサインをした。




そんな私の頭の上に付いているのは……



ふわっふわの黒いネコ耳。

そして、さっき着たばかりのメイド服のスカートのうしろからは、ネコのしっぽが上へ伸びている。




そう、我がクラスの模擬店は、

ただのメイドカフェではなく、“アニマルメイドカフェ” 。




夏奈ちゃんは、クラスで最初にその案が出たときは、 “いかがわしい” と一蹴していた。