*
*


「へぇ、それでまだ、“ただの幼なじみ” なんて言うわけ?」



利樹が問い詰めるような口調で俺に言う。




結局、利樹にあれこれ聞かれるのも面倒で、体育祭のことも、それからこれまでのことも、全部自分から話したところだ。




「は?だからそう言ってん…」



「いや、」




俺の言葉に食い気味に利樹が重ねる。





「光希とひまりちゃんが幼なじみだったっつーのも俺にとっては、驚きだけどさ。だけど俺には、光希がひまりちゃんのことを本当に “ただの幼なじみ” だと思っているようには見えない」



「は?」




怪訝そうな目を向けた俺に、利樹はにやりと口角を上げながら口を開いた。




「俺、わかっちゃったかも」



俺の心を見透かすように、俊樹は言葉を繋いでいく。




「光希が最近やたら苛立ってる理由(ワケ)」





確信めいたように言う利樹に、俺は目を見開いた。



「んなわけ、」



ねーだろ、と続けようとした言葉は

利樹にまたもや遮られて。