そして、




『行っけぇ─────!!』


『頑張れ!!』



クラスの声援を背負ったバトンは、ついに第三走者に渡った。




この時点で、先頭2クラス────4組と8組は明らかに抜きん出ていて、優勝争いはこの2クラスだろうという感じで。




8組も、俺らも、速さはほぼ互角。



さっきから、抜きつ抜かれつの競り合いを繰り返しながらこっちに向かってきている。





足首を軽く回しながら、テイクオーバーゾーンで準備をする。




おそらくアンカーへのバトンはほぼ同時に渡るはずだ。


だったら、俺で勝敗が決まるわけで。



クラスのためにも、ここは決めないと───と思った、そのときだった。





『────きゃ……っ!!』




応援席から悲鳴のような声があがる。




疑問に思った俺が、ハッと後ろを振り向くと。




『………っ、』





俺のクラスの第三者のヤツが、転んで、まさに立ち上がろうとするそのときで。




見れば、ついさっきまで横並びだった8組の男子との間には大きな差が開いていた。