『光希は自分の気持ちに鈍そうだから。忠告しといてやってるんだよ』
利樹にもよく言われるけれど。
意味わかんねーし。
肩をすくめると、浅野はじゃあ、と俺に提案した。
『リレー。光希が勝ったら、今まで通りスローペースで行く。俺が勝ったら、お構い無しに、あの手この手を使ってひまりちゃんを堕としに行くから。いいよね?』
『………挑む相手、間違ってんだろ』
吐き捨てるように言ったのに、浅野はまるで聞かない。
『俺、本気出すよ』
『………好きにすれば』
そう言うと、浅野はふ、と息をついた。
俺と闘っても意味ねーのに。
……あぁ、面倒だ。
なんて考えていると、さらに拍車をかけるように。
『浅野───────っ!!
絶対勝てよ────!!』
8組の応援席から早坂の声が聞こえた。
浅野がそれに気づいて手を振って応えている。
早坂がいるってことは──────
ちらり、と視線を横にずらした。
ほら、やっぱりいた。
俺の幼なじみ。



