お前のこと、誰にも渡さないって決めた。

*


ひとつ前の種目のスゥエーデンリレーが終わり、グラウンドに入場する。



隣をふ、と見ると。





『あれ、光希じゃん?』


『浅野?』




8組の浅野翔太がいた。


コイツも現役バスケ部で、中学校のときに何度か対戦したことがあるよしみで顔見知りだ。




臨海のときもなぜか、一緒にBBQすることになったし。




俺の隣にいるってことは、8組のアンカーは浅野、ってことか。




所定の位置について、足首を回したり、軽くウォームアップをしていると、浅野が声を掛けてきた。



『なぁ、』




俺の知るいつもの浅野の声より少し堅くて、違和感を覚えたのも束の間で。






『俺さ、ひまりちゃんのこと好きなんだけど』





ここに来てまで聞くとは思っていなかった名前を浅野が口にして、思わず俺は肩を揺らした。



だからって、何も無いけれど。





『………なんでそれ、俺に言うわけ?』




思ったままの疑問が口をついて出た。