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その放課後。

夕日が照らすグラウンドの上。






………えーっと。



まだ状況が把握できていないんだけど…。

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。





「まーまーひまり、そんなに気張らずに頑張れるだけ頑張ったらいいって!」




未だに、どよんとしている私を夏奈ちゃんが明るい声で励ましてくれるけれど。





「だって、リレーだよ?荷が重すぎる……」





そう、あの後の種目決めで事件は起こった。

無事に借り人競走に出場できることになった私は、安心して夏奈ちゃんと談笑していたんだけれど。





『女子リレー、もう希望者いない?推薦でもいいから……』




浅野くんが困ったようにみんなに問いかけて……、

というのも、女子4×100mリレーのメンバーが一人だけ足りなかったから。




『もう運動部みんなリレー出ちゃってるし、クジとかでいいんじゃない?』




私たちの学校の体育祭では、リレー系種目は一人につき一回しか出られないことになっている。




うちのクラスは、文化部と帰宅部が多くて、リレー枠が埋まるほどの運動部メンバーがいなかったみたいで。




陸上部の女の子が出した “クジ案” に誰も異論はなくて、リレーメンバー以外の女の子全員がクジを引くことになったんだ。