「ただいま戻りました。」

家に入ればすぐに

カレーのいい香りがしてきた。

「おかえりなさい、です。」

エプロン姿だ…。

僕のスマホを手に取り…

カシャ

「え、龍聖さん何してるんですか。」

「すみません。エプロン姿が可愛くて
つい写真を…。」

「いやいや、消してくださいよ!」

「な、なんでですか!?
僕の家宝にします!」

「もっとやめてくださいよ!」

「で、どこで買ったんですか?」

「そこの百均です。
これから料理するのに
エプロンは必要かなーと思いまして。」

「ちょっと待ってくださいね。」

「はい?」

自分の財布から108円を取り出して

朱子さんに渡す。

「え、いや、いいですよ!」

「いや、受け取ってください。」

「…お金ないんでお言葉に
甘えさせていただきます。」