──ピンポーン

インターホン?

なんだよ、こんな時に。

「はい。」

「あ、龍聖さんですか?」

「っ、あ、朱子さん?」

「はい!朱子です!
なんかいろいろ鍵を
持ち出してみたんですけど、
どーすれば家に戻れるのかわからなくて…。」

僕の家は一応高級マンションだから

セキュリティが万全。

フロントに入るにしても暗証番号が必要。

そこからエスカレーターに行くまでも

暗証番号が必要。

僕が住んでる最上階に行くためには

エスカレーター内でも暗証番号が必要。

そこまでしてやっと部屋の鍵を使って

家の中に入ることが出来る。