「あれ…。」

鍵がない。

家の鍵から車の鍵、会社の鍵…。

「盗まれた…?」

朱子さんが盗んだのかな。

あーあ。

そうしたら藤堂グループの情報が漏れて

藤堂グループは終わる。

その原因である僕の人生もきっと終わる。

でもそんなことより…

「朱子さんにはもう会えないのか。」

僕はなんてことをしてしまったんだ。

見ているだけでも

充分幸せだったんじゃないのか?

どうして手に入れようなんて

思ってしまったんだ…。