翔の代からすでに校長は代わっていたようで、理事長は翔の母親であるようだ。

つくづく凄い一族である。

「どうぞどうぞ、お掛けになって下さい。」

校長が卒業生に敬語を使うなど、聞いたことがない。

そう思ってあずさのほうを見ると、彼もどうやら同じ考えだった様で、必死に笑いをこらえている、そんな顔をしていた。

「ご無沙汰してます。」

しかし本日の主人公である翔はまったく嬉しそうではない。

そんな彼の気持ちはさておき、今日の矢形の運営状態などを校長から聞いた私達は、早速視察を開始した。