「今日、28日だから。すぐに返すから、少し借りていくな」


2人にそう言うと、行くぞ、とでも言うように私を一瞥して歩き出すいっちゃん。

置いていかれちゃ困る、と急いでその後ろ姿を追いかける前に。


「ごめん!彩ちゃん、悠里ちゃん、私・・・」

「いいよいいよ、小春!ゆっくりしてきな~」

「私達、先に行ってるからねっ」



申し訳ない気持ちで、階段に居る2人に声をかける。


けど、2人の表情は私が予想していたものは異なっていて。


じゃねっ!と軽く手を振りながら歩いていく2人の背中を思わず見つめてしまう。