「どうした?小春ボーっとしてたよ?眠い?」

「え、えーっと・・・予習終わってなくて、今日ちょっと早く起きたから?・・・かな」


心配かけてごめんね、笑みを浮かべて首を傾げてみせる。


「小春、えらいもんね~。古典の予習、毎回完璧にやってあるし」

「ほんとほんと。だから成績も良いし。彩も少しは見習いなよ?」

「うるさーいっ!悠里だって、いつも授業前に小春に見せてもらってるくせに」


言い合いを始める2人に苦笑いを浮かべ、心の中で謝る。


ごめんね、彩ちゃん、悠里ちゃん。
私、そんなに真面目な訳じゃないの。

予習頑張ってくるのは、少しでもいっちゃんに良く思われたいから。


私は2人にいっちゃんへの気持ちを言えずにいる。


いっちゃんへの「好き」は、私1人だけの秘密なんだ。