「ごめん、ちょっと先生の所に取りに行ってくるねっ」
「わざわざごめんね、小春」
行ってらっしゃーいと手を振る悠里ちゃんに私も手を振り返し、国語科準備室に急ぐ。
急ぐと言っても、歩いてるのに心臓の鼓動がどんどん早くなってくる。
悠里ちゃんを待たせて申し訳ないけど、ラッキーだななんて思ってる。私。
いっちゃんに会いに行ける。
そう考えるだけで、口元はゆるゆるに緩んでいくし、歩くのとだんだん弾んでくる。
嬉しいな。
いっちゃんに会えるだけでほんとに嬉しい。
そうだ、今日彩ちゃん達にメイクしてもらったんだ。
いっちゃん、気づいてくれるかな。
可愛いって、思ってくれるかな。