変わらず部屋の中をじろじろ見渡す私にいっちゃんは、ん。と右手を差し出す。
不思議がりながらも受け取って見てみると。
「あ、これ・・・」
「それ、昔から好きだろ?ハル」
いっちゃんがくれたのは、可愛い包み紙に包まれたイチゴ味のキャンディー。
「資料運んでくれたお礼。あと、今日指した現代語訳、良く出来てたからそのご褒美」
皆には内緒な?と頭を軽く撫でてくれるいっちゃんに、私は顔が熱くなるのを抑えられない。
慌てて誤魔化すように、視線を手の中のキャンディーに向ける。
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