「りょうくん?」
私はお昼休みに同級生のりょうくんに呼ばれた。
「あぁ、さえ。待ってた」
ドキッ
男子でさえと呼ぶのはりょうくんくらいでその声を聞くだけでドキドキしてしまう。
「さえはさ、好きな人とか…いるの?」
「えー?…どうだろうね笑」
「なんだそれ笑」
「なんで?」
「いや、ちょっと気になるやつできてさ。ちょっと相談とか乗ってほしいなって思ったから。」
なんだ…淡い期待をした私がばかだった…
「じゃぁ…ごめんな。わざわざ呼び出したのに…」
「りょうくん!」
ん?と歩き出したりょうくんは振り返る。
「私、私ね!いるよ!好きな人!」
「そーなの?」
うん。あなただよ。とは言えなかった…
「そっか!じゃぁ、女子ってなにが好きなの?」
んー…
「甘いもの?」
「そっか。じゃぁ…これ。」
そう言って差し出した手は丸まっていてなにが入ってるかわからなかった。
「え?」
「いいから受け取って。」
「飴?」
「好きなんだろ?甘いもの…やる」
え?
「それって…」
「そーだよ…俺が好きなのはお前。でも、お前にほかの好きな人がいるなら…
「ち、違うよ!」
「え?」
「私が…好きなのは…りょうくんだよ!だから、諦めるとか、言わないで…」
「は?笑」
「なんで笑ってるの?」
「諦めるなんて一言も言ってないだろ?さえはせっかちだからな笑」
「じゃ、じゃぁ、なんて言おうとしてたの?」
「諦めきれないから、それなめてる間は俺のことずっと考えとけよって言おうとしたけど笑…かっこ悪りぃよな。」
ううん…そんなことないよ。りょうくんはいつでもかっこいいよ…

END