「かえで」
「あ、環。」
「こんなところで何してるの?」
「んー…あのカフェ入りたいんだけど、一人じゃ勇気なくて…」
「じゃぁ、俺が一緒に入ってあげようか?」
「え?」
「いや、だから、お前は一人で入りにくい、俺はここにお前といる、一緒に行けば完璧じゃね?」
「…いや、それは…」
「なに、嫌なの?」
「いや…あの…嫌じゃない!…けど…」
「けど?」
いきなり好きな人とこんなオシャレなところなんて緊張して楽しめないかも…
グイッ
「いらっしゃいませ〜」
あ、あ、あー…!
「2人で…緊張してる?」
え?
「すごい手汗だから笑」
うぅ…恥ずかしい…引かれたよ…絶対
それから私はなにを頼んでなにを飲んだのかわからない。
ー1時間後ー
「美味しかったねー」
「…」
案の定緊張しっぱなしだった…
「かえで?」
「…あー!もう!環は人の気も知らないで!そーやって!」
「え?」
「私…、私…、環のこと好きだよ!?」
「お、おう…知ってるけど?」
え?
「俺もお前のこと好きだし、今日だってお前じゃなきゃあんなとこ入らねぇし…」
///
ギュッ
「気づけよ…鈍感娘…」
…だって、そんな風に見えないし…
「嘘だよ。今日、すげぇ楽しかった…また行こうな。今度はデートで…」

END