ガシャンッ!
「す、すいません!」
「失礼しました!」
先輩…
「おい。そこ邪魔だ。あっち行ってろ。」
「いや、でも!私が処理します!」
「はぁ?お前に怪我されちゃ元も子もないないだろ!」
あ、そっか…
「すいません…」
「いいから、ほうきとちりとり。」
「は、はい!」
はぁ…またやっちゃった。
先輩に助けてもらうのこれで何回めだろう。
「千奈美(ちなみ)ちゃん大丈夫?めちゃくちゃ怒鳴られてたけど。」
あ、小南(こみなみ)先輩。
小南先輩はこのバイトを始めた時からすごく優しくてお兄さん的存在。
「はい。大丈夫です。」
「ごめんね。あいつ口悪いっしょ。なんかあったら俺にいいなよ?」
「あ、いえ!私が悪いんです。私がいつも失敗ばっかだから…」
「そっか…まぁ、無理しないほどに頑張って。」
ポンポン
本当に優しい…
初めはすごく緊張してたけど、この頭ポンポンにも慣れてきて今ではすごく心地いい。
「あとやります。」
「あぁ。よろしく。」
「はい。」
あ。行っちゃった…お礼言いたかったのに。
はぁ。私ってば邪魔ものなのかなぁ。
その後のバイトはなんとか失敗することなくできた。
終わったー!
「でっけぇあくびだな。」
え!?やば!見られてた!?私すっごいブサイクだったかも…
「お、お疲れ様です。」
「あぁ。お疲れ。」
…
やばい。話すことない…
「大丈夫か?」
「へ?」
急すぎて声が裏返る。
「怪我。しなかったか?」
もしかして、心配してくれてる…?
「だ、大丈夫です…すいませんでした。」
やばい。顔がにやける…
「あ?あぁ。いいよ。別に。大したことじゃねぇし、もう慣れた。」
慣れたって…私が失敗しすぎてだよね?
「それに、お前が怪我しなかったからいいんだよ。」
え?それって…私のこと助けてくれ…
「勘違いすんなよ?後輩に怪我させてまで働かせてるって思われるのが嫌なんだよ。」
…くすっ
「はぁ?なんだお前。急に笑うなよ。きみ悪りぃから。」
「ご、ごめんなさい。でも、嬉しくて…」
「は?なんで?」
「だって、私のことそんなに考えてくれてたなんて。」
「…いや、だから…」
「私のためじゃないんですよね?」
「…そういうこと。わかってんなら変な顔してないで帰れ。」
あれ?なんか照れてくれてる?
「はい!じゃぁ、お疲れ様です!」
今日は先輩いるかなぁ…
「今日はいないよ?」
「え?」
「望月(もちづき)だろ?」
「あ、は、はい…」
恥ずい…探してることバレてた…
「わかりやすいねぇ。好きなんだ?」
…///
私ってそんなにわかりやすいかな…
「まぁ、でも、今日は俺があいつの代わりに千奈美ちゃんのこと見てるから。」
代わり?
「うん。あれ?知らなかったの?」
なにを?
「あいつ、いつも千奈美ちゃんのこと目で追ってるよ?だから、昨日だって誰より早く気づいて対処したでしょ。」
…そんな。でも、それって私が新入りで失敗するかもしれないってだけで。
「まだわかんない?男が目で追う女は好きなやつか顔とかスタイルが抜群なやつだけ。」
…そうなの?先輩。
「さ、仕事だよ!」
「は、はい!」
私、期待しちゃってもいいの?
「お疲れ様。」
「あ、お疲れ様です。」
「今日は失敗しなかったね。」
「はい。慣れてきたのかな。私も。」
「ねぇ、千奈美ちゃん。俺といるときは緊張しないの?」
え?なんで急にそんな質問するのかな。
「いや、なんでもない。しないのわかってるから。」
「どうしたんですか?」
「いや、うん。俺も千奈美ちゃんのこと目で追ってる男だから。」
え?
「で、でも、私、抜群な顔とかスタイルじゃない…」
「そうだね?」
「え?じゃ、じゃぁ、まさか…」
「そう。そのまさか。…でもね、俺、あいつと千奈美ちゃんの仲の邪魔する気はないよ?あいつとは親友だし、なんせ、好きな人には好きなやつと一緒になって欲しいしね。」
小南先輩…
「はい。すいません。」
「なんで千奈美ちゃんが謝るの?笑」
「だって…」
「俺に謝るんじゃなくて、あいつに告白してこいって。多分家にいると思う。住所書いてあげるから。」
「いや、その必要はない。」
え?この声…
「ごめん。聞いた。」
先輩!?
「あらー。聞かれてたか。じゃぁ、俺はこれで帰るよ。お疲れー。」
あ、待って!この状況で2人きりは…
「悪い…忘れ物とりに来たらこんなことに…」
「い、いえ。いいんです…」
…気まずい。先輩もどうしていいかわからないよね。
もう、こうなったら、いくしかない!
「…あ、あの!」
「あー!待て!」
!?
「その先は俺がいう。」
へ!?
「俺さ、このバイトやり始めたとき、正直つまらなかった。周りも自分も慣れてて、淡々と仕事をこなしてた。でも、お前が入って来てからなんか、場が明るくなった感じがして、楽しくなったんだよな。」
…先輩の目がいつも以上に真剣に私を見つめる。どうしよう。心臓がもたないよ。
「お前のする失敗の対処も楽しかった。こんな奴もいるんだって。気づいたらお前のこと目で追ってて。」
…ぎゅ!
「ちょ、お前、何してんだよ。まだ話…」
「…いいです。もう、十分です。好きです!大好きです!先輩!」
「…あぁ。俺も。好きだよ。」
〜END〜
「す、すいません!」
「失礼しました!」
先輩…
「おい。そこ邪魔だ。あっち行ってろ。」
「いや、でも!私が処理します!」
「はぁ?お前に怪我されちゃ元も子もないないだろ!」
あ、そっか…
「すいません…」
「いいから、ほうきとちりとり。」
「は、はい!」
はぁ…またやっちゃった。
先輩に助けてもらうのこれで何回めだろう。
「千奈美(ちなみ)ちゃん大丈夫?めちゃくちゃ怒鳴られてたけど。」
あ、小南(こみなみ)先輩。
小南先輩はこのバイトを始めた時からすごく優しくてお兄さん的存在。
「はい。大丈夫です。」
「ごめんね。あいつ口悪いっしょ。なんかあったら俺にいいなよ?」
「あ、いえ!私が悪いんです。私がいつも失敗ばっかだから…」
「そっか…まぁ、無理しないほどに頑張って。」
ポンポン
本当に優しい…
初めはすごく緊張してたけど、この頭ポンポンにも慣れてきて今ではすごく心地いい。
「あとやります。」
「あぁ。よろしく。」
「はい。」
あ。行っちゃった…お礼言いたかったのに。
はぁ。私ってば邪魔ものなのかなぁ。
その後のバイトはなんとか失敗することなくできた。
終わったー!
「でっけぇあくびだな。」
え!?やば!見られてた!?私すっごいブサイクだったかも…
「お、お疲れ様です。」
「あぁ。お疲れ。」
…
やばい。話すことない…
「大丈夫か?」
「へ?」
急すぎて声が裏返る。
「怪我。しなかったか?」
もしかして、心配してくれてる…?
「だ、大丈夫です…すいませんでした。」
やばい。顔がにやける…
「あ?あぁ。いいよ。別に。大したことじゃねぇし、もう慣れた。」
慣れたって…私が失敗しすぎてだよね?
「それに、お前が怪我しなかったからいいんだよ。」
え?それって…私のこと助けてくれ…
「勘違いすんなよ?後輩に怪我させてまで働かせてるって思われるのが嫌なんだよ。」
…くすっ
「はぁ?なんだお前。急に笑うなよ。きみ悪りぃから。」
「ご、ごめんなさい。でも、嬉しくて…」
「は?なんで?」
「だって、私のことそんなに考えてくれてたなんて。」
「…いや、だから…」
「私のためじゃないんですよね?」
「…そういうこと。わかってんなら変な顔してないで帰れ。」
あれ?なんか照れてくれてる?
「はい!じゃぁ、お疲れ様です!」
今日は先輩いるかなぁ…
「今日はいないよ?」
「え?」
「望月(もちづき)だろ?」
「あ、は、はい…」
恥ずい…探してることバレてた…
「わかりやすいねぇ。好きなんだ?」
…///
私ってそんなにわかりやすいかな…
「まぁ、でも、今日は俺があいつの代わりに千奈美ちゃんのこと見てるから。」
代わり?
「うん。あれ?知らなかったの?」
なにを?
「あいつ、いつも千奈美ちゃんのこと目で追ってるよ?だから、昨日だって誰より早く気づいて対処したでしょ。」
…そんな。でも、それって私が新入りで失敗するかもしれないってだけで。
「まだわかんない?男が目で追う女は好きなやつか顔とかスタイルが抜群なやつだけ。」
…そうなの?先輩。
「さ、仕事だよ!」
「は、はい!」
私、期待しちゃってもいいの?
「お疲れ様。」
「あ、お疲れ様です。」
「今日は失敗しなかったね。」
「はい。慣れてきたのかな。私も。」
「ねぇ、千奈美ちゃん。俺といるときは緊張しないの?」
え?なんで急にそんな質問するのかな。
「いや、なんでもない。しないのわかってるから。」
「どうしたんですか?」
「いや、うん。俺も千奈美ちゃんのこと目で追ってる男だから。」
え?
「で、でも、私、抜群な顔とかスタイルじゃない…」
「そうだね?」
「え?じゃ、じゃぁ、まさか…」
「そう。そのまさか。…でもね、俺、あいつと千奈美ちゃんの仲の邪魔する気はないよ?あいつとは親友だし、なんせ、好きな人には好きなやつと一緒になって欲しいしね。」
小南先輩…
「はい。すいません。」
「なんで千奈美ちゃんが謝るの?笑」
「だって…」
「俺に謝るんじゃなくて、あいつに告白してこいって。多分家にいると思う。住所書いてあげるから。」
「いや、その必要はない。」
え?この声…
「ごめん。聞いた。」
先輩!?
「あらー。聞かれてたか。じゃぁ、俺はこれで帰るよ。お疲れー。」
あ、待って!この状況で2人きりは…
「悪い…忘れ物とりに来たらこんなことに…」
「い、いえ。いいんです…」
…気まずい。先輩もどうしていいかわからないよね。
もう、こうなったら、いくしかない!
「…あ、あの!」
「あー!待て!」
!?
「その先は俺がいう。」
へ!?
「俺さ、このバイトやり始めたとき、正直つまらなかった。周りも自分も慣れてて、淡々と仕事をこなしてた。でも、お前が入って来てからなんか、場が明るくなった感じがして、楽しくなったんだよな。」
…先輩の目がいつも以上に真剣に私を見つめる。どうしよう。心臓がもたないよ。
「お前のする失敗の対処も楽しかった。こんな奴もいるんだって。気づいたらお前のこと目で追ってて。」
…ぎゅ!
「ちょ、お前、何してんだよ。まだ話…」
「…いいです。もう、十分です。好きです!大好きです!先輩!」
「…あぁ。俺も。好きだよ。」
〜END〜