「いやいや〜。最近、とある噂を聞いたもんでね〜。あんたら、多勢に無勢でリンチとかしてるんだってなー？おまけに、鬼龍に近付くやつは叩き潰すんだってなー？しかも勝手にやってる事なんだってー？」

「それがどうしたってのよ？」

それを聞いた女は、鼻で笑って遇らう。

「いや〜、本当なんだ？性根腐ってんね〜」

笑って遇らう女を、笑って挑発する。

「だから？それでどうしようと？」

「んー……まあ、再起不能にトラウマになるぐらいに潰してやろうかと思ってな」

「はぁ？あんた本気で言ってるわけ？あたしらは１０人、あんたは一人。あんたに勝ち目なんかないよ！！」

そう言って、同時に襲いかかってくる女ら。

その手には刃物やら、棒やらバットやらと持っている。

本当に性根が腐ってんな。

“俺”は最初に突っ込んできた目の前の女の顔を掴むと、そのまま壁へと打ち付けた。

「さぁ、楽しいShow timeを始めようか？」

ニヤリと笑みを浮かべ、駆除と言う名の喧嘩が始まった。

フードに隠れた琥珀色の髪が月の光で輝き、長い前髪の隙間から赤い血走った様な緋色の瞳が、ちらちらと見え隠れする。

その人物の足元には、１０人もの女が倒れている。

「あー、だりぃ……」

そう呟き、“俺”はその場を後にする。

そんな人物を物陰から見る一人の男。

「…………」