「ひがのんは、鬼龍の姫ってホントか??」

「え?あ、うん。そうだけど」

「へ~やっぱそうなんだ。大変だね~」

大変??

一体何が大変なんだろうか。

「えっと、何が?」

「いやさ、鬼龍ってイケメン多いじゃん?しかも強いし。だから結構ファンとかいろいろ多いんだよ」

「鬼龍に近づく輩は、叩き潰すって暗黙ルールってやつがあってね。さっきのような奴らが勝手にやってることなんだけどさ。そろそろ黙らせといたほうがいいかもね。最近あいつら調子こいてきたから」

「確かに。ちょっとうざいわ。横を通り過ぎただけでも平気で多勢に無勢でリンチするからな」

うっわ。

多勢に無勢とか、マジきったねー。

て、さっき私それされたんだっけ??

あはは、性根が腐ってるなー………。

「ひがのんも、気をつけてな~」

「なんかあったときは私たちに言いなよ。再起不能にするからさ」

「あ、うん。ありがとう」

絶対に言えないですね。

由梨ちゃんと、里夏ちゃんは手を振りながら自分のテントの場所へと戻って行った。