緋鬼⁑鬼龍

「千郷ちゃん!!」

「ちぃちゃん!!」

「千郷!!」

律、菜々ちゃん、要が一斉に私の所へと駆け寄って来た。

「千郷ちゃん大丈夫??」

「ちぃちゃん!あいつに何もされなかったよね??」

「大丈夫かよ?!何ともねぇか!?」

三人とも興奮してて、いっぺんに喋るから対応に困っていると、飛鳥と香月くんと夏樹くんが、三人を私から引っぺがしてくれた。

「大丈夫か?千郷」

「うん……大丈夫」

「まったく三人とも、千郷さんが心配なのは分かりますが、千郷さんを困らせてどうするんですか」

「「「ごめんなしゃい……」」」

三人は香月くんに怒られて、しゅんっと小さくなった。

「……菜々、お前は大丈夫か?」

「ん?あー、私は大丈夫だよ!ありがと夏樹!!」

うわぁー。

ラブラブだなぁ、あの二人は………。

「それにしても今の人って………??」

「ああ、千城か。あいつは……」

「館学の生徒で、白蘭の総長ですよ」

館学の生徒で、白蘭の総長………。

あの人が………。

「ふーん……」

「……どうかしましたか?千郷さん」

「いや、別に何でも……。ただあの人、凄く笑顔が胡散臭かったなぁって」

「笑顔が…」

「胡散臭い……?」

「うん。私、あの人嫌いって分けじゃないけど、苦手だなぁ……」

飛鳥と香月くんは、二人顔を見合わせていた。

私は、密かにあの人の名前を記憶した。

帰ったら調べとかないとなぁ……。

胸の奥底に眠る闇に、私はほんの少し安心した。