夏樹くんはどこか嬉しそうな顔をして、菜々ちゃんの頭を優しく撫でている。

撫でられている菜々ちゃんは、まるで猫のように気持ちよさそうにしていた。

何かいいな。

ああゆうの…………。

そう思っていたら、いつの間に帰ってきたのか飛鳥が頭の上に手を置いてきた。

「あ………飛鳥」

「何してんの?」

「要が脚速いのかどうかをみんなで話してただけだよ」

「……………そっか。じゃ、俺次借り物だから、行ってくるわ」

「うん。行ってらっしゃい」

「ん」

飛鳥は飲み物を飲んだ後、直ぐに香月くんと共に次の競技に行った。

何か飛鳥、色っぽかった………。

少し汗をかいていて、いつもと違う感じがした。

今日は何だか表情も柔らかくて、目も優しい感じがした。

飛鳥に触られた所が、何だか熱を帯びてそこからどんどん熱が伝染していくみたいに、息苦しくて、熱くて、心臓もいつもより早く脈を打っているみたい。

何だろう………。

これ。

私病気なのかなぁ???

こんな事って初めてで、戸惑いしかない。