『秀香、それは駄目。』

バッと怜依が私から離れた。

『本当に秀香が逝くべきときが来た時、僕はあなたを迎えにいくよ。』

え。
それじゃ。私。

『秀香、また、いつか、ね。』

享は、ニッコリ笑って、すうっと暗い闇の中に消えてった。

『怜依!』

もう、なにも、聞こえなかった。