爽やかな風が、私を包み込むように吹いている。

ここは、どこ?
天国?

そっか。
私、理優ちゃんを庇って死んだんだっけ。

「秀香。」

振り向くと、私が最初で最後の恋をした相手が立っていた。

「やっと、会えたね。」

私は、指し伸ばされた怜依の手につかまって、立ち上がった。