魔法科高校の十二跡

そして、入学式から一ヶ月。





私は…私たちは平和(?)に日々を過ごしていた。





「柚乃また饅頭〜〜??」




「当たり前。これないと動けない。」






私がモグモグと饅頭を頬張っていると、目の端に依の手が伸びているところが映った。





それを見て、依を思い切り睨みつける。






すると、怯んだのか、諦めて自分のご飯を食べ始めた。






「てかさ〜この学校本当に自由だよな。
魔法の訓練っつてもなんか基礎ばっかだし。」







「まあ、暇ではあるが、充実してるとも思う」





「そう?柚乃が楽しいならいいんだけど」






「お前は?」


「ん?」



「だから、お前は楽しいのか?」



「俺、耳悪いから聞こえなーい」






そういうのを聞こえてるっていうんだが。
不審に思い、





「何が不満なんだ?依?」




訊いてみた。
すると、


「それが不満〜〜。」





「は?」





意味がわからない。
この男は、たまに訳がわからない。





「だーかーら、その“より”ってのが嫌なの〜〜
俺の名前は“よる”なの〜〜」





そんなことか。
答えを待っていた時間を返して欲しい。





「なんで?容認してなかったか?」






「毎回そう呼ぶからちょっと流されちゃってたけど、やっぱ本名の方が嬉しいな〜〜なんて」





「小さい頃私が漢字を読み間違えてからずっとよりだったんだから、今更変えられない」





「で〜〜も、俺っていう人間が公認されないっていうか、なんか〜〜」






「よりでもよるでも、お前はお前だ。
私の隣いるのが依だ。
その理由だけじゃ不十分か?」







私は固いと言われた表情筋を使うことなく答えた。





「おっ、おう、そーだな…」