その後、授業を受けて、帰りに依に約束通り、饅頭を2個きっかり買ってもらった。








そして、今まさに夜ご飯を食べ終えその饅頭を食べながらパソコンに向かっていた。





メールを開くと豊さんからメールが来ていた。





[柚乃、元気な高校生活を送れているかい?
相変わらずなんだろうが、楽しんできなさい。
我々の'規律'の範囲ならば何をしても構わない。]






相変わらずは、貴方もだ。

豊さんというのは父の弟、
つまり私の叔父。
そして、霜月家現当主。


私の父が当主だったのだが、私の幼い頃に病気で死んだ。その後継として、豊さんが現当主となり、四幹部の座についたのだ。





正直、この人は苦手だ。
何かと面倒を見てくれてはいるのだけど
優しい素ぶりを見せながら、
やることは全て鬼畜そのものだ。






きっと、この規律を破れば命すらないだろう。
だから、私は自由になどなれないのだ。




しかし、絶縁するわけにもいかない。
私にはやるべきことがある。



それには叔父の力も必要なのだ。







様々なことが頭の中で交錯しながら、メールを読み進めると暗号化されている文が一つあった。








その暗号を解いて、普通の文に直すと





[“アレ”は順調に進んでいる、成功するのも最悪でも数年後だろう]






「………!!!」






私の人生にとって一番大切なこと。
上手くいかなければ、全てが台無しだ。







成功する。そう思わずにはいられない。






「待ってて…涼…」






私以外誰もいない部屋で私はアイツの名を呼ぶ。