「十二跡は、日本の平和を守るために作られたものだ。十師族とは別の立場から人々の生活を守り、それぞれの家から受け継いだ魔法を秩序を守るために使うんだ。」
耳に穴が空くほど聞いた言葉。
こんな教育で何を守るというのだろう。
「不貞腐れてんね、柚乃?」
「依…当たり前…」
俗に言うここは中学校。
でも、ここは普通じゃない。
言わば、十二跡に所属する一族のための寺子屋のようなものだ。
毎日毎日、上辺で飾られただけの言葉を聞かされている。
「いいか、お前たち、十二跡の中にも位がある。最高権力者である<四幹部>は、十二跡の全権力を握り、皆に指示を出し、うまくこれを運営している。今は、如月、弥生、皐月、霜月家の当主が就任しているが、四幹部の死によって十二跡の中から相応しい者がその後継に選ばれる。まぁ、その他に見届け役の<アンバー>役職がありーーーーー」
「俺らって無駄に期待されてるからね〜マジめんどくさいわ」
「実際は、親達が子供に自分がなれなかった幹部の席に座らせたいだけなのにね」
「十師族なんかよりタチ悪いよな〜」
「まあ反抗する術がないのも事実」
「別に抗おうなんて思ってないぜ?
ただ、“アレ”がバレたら追放どころか十二跡全体が壊滅すーーーー」
ダンッ
机を思い切り叩いた音と私が椅子から立ち上がった音とが同時に教室中に響く。
「なんだ?!霜月!!!!」
「いえ、虫が。」
「そうか…虫は捕まえるもんだ、潰すもんじゃないぞ」
「すいません」
心にもない謝罪を口にしながら、
静かに腰を下ろす。
依は顔色一つ変えず私の方を見ていた。
「軽々口にするな」
「わりぃーわりぃー」
こちらも思ってもいない謝罪をしながらヘラヘラと笑う。
口にしてはいけないのだ。
一族が滅びかねない大きな計画。
それくらい重大な秘密。
穏便に物事を進めなければいけない。
“あの人のために”
絶対に。
耳に穴が空くほど聞いた言葉。
こんな教育で何を守るというのだろう。
「不貞腐れてんね、柚乃?」
「依…当たり前…」
俗に言うここは中学校。
でも、ここは普通じゃない。
言わば、十二跡に所属する一族のための寺子屋のようなものだ。
毎日毎日、上辺で飾られただけの言葉を聞かされている。
「いいか、お前たち、十二跡の中にも位がある。最高権力者である<四幹部>は、十二跡の全権力を握り、皆に指示を出し、うまくこれを運営している。今は、如月、弥生、皐月、霜月家の当主が就任しているが、四幹部の死によって十二跡の中から相応しい者がその後継に選ばれる。まぁ、その他に見届け役の<アンバー>役職がありーーーーー」
「俺らって無駄に期待されてるからね〜マジめんどくさいわ」
「実際は、親達が子供に自分がなれなかった幹部の席に座らせたいだけなのにね」
「十師族なんかよりタチ悪いよな〜」
「まあ反抗する術がないのも事実」
「別に抗おうなんて思ってないぜ?
ただ、“アレ”がバレたら追放どころか十二跡全体が壊滅すーーーー」
ダンッ
机を思い切り叩いた音と私が椅子から立ち上がった音とが同時に教室中に響く。
「なんだ?!霜月!!!!」
「いえ、虫が。」
「そうか…虫は捕まえるもんだ、潰すもんじゃないぞ」
「すいません」
心にもない謝罪を口にしながら、
静かに腰を下ろす。
依は顔色一つ変えず私の方を見ていた。
「軽々口にするな」
「わりぃーわりぃー」
こちらも思ってもいない謝罪をしながらヘラヘラと笑う。
口にしてはいけないのだ。
一族が滅びかねない大きな計画。
それくらい重大な秘密。
穏便に物事を進めなければいけない。
“あの人のために”
絶対に。
