「はあ〜〜まじでなんか感化されちゃった〜〜

よしっ。橘、お前今から話すこと全部口外しないって約束できる?」




「依!!それは掟破りになるぞ!」


私は慌てて依を止めようとする。
しかし、



「こんなん言われて、このまま帰せると思う?
だったら、ちゃんと言って納得して帰ってもらった方が良くない?」




「はあ…勝手にしろ」

私は諦めることにした。
私の意志が弱かったわけじゃない。
翠の言葉に心打たれたわけじゃない。
禁忌について話していいと許可したわけでもない。



ただ、私は依の顔が余りに澄んでいてなぜだか楽しそうだったからつい、勝手にしろと言ってしまっただけだ。



でも、訂正する気もない。





「ほんと…ほんとっ…に?!
絶対喋らない!俺の中に留めておく」

涙を自分の袖でゴシゴシ拭いて、ニカッと笑う。




「じゃあ、お前も知ってるだろうけど最初から……」