「じゃあ、神崎さんの席は一番窓際の後ろね。まだ席替え一度もしてないから、名前順だし頑張って覚えてね」

「わかりました」

神崎さんはもう一度教室を見渡して席につく。

「隣は三枝さんね。教科書揃うまで見せてあげれるかしら?」

……。

「は、はい!?」

「だから、教科書」

待って待って待って!

まさかの私の隣?!

いや、確かにずっと席空いてるなぁ……って思ってたけど!!

さすがに急にくると心臓止まるって!!

ん?

てか、教科書……?

「あ、ハイ!」

「よかった。じゃあ、教科書は三枝さんに見せてもらうとして……」

先生がふむ……と考え込む。

「ありがとうございます」

「え?!あ、うん!」

神崎さんの言葉に小さく頷く。

隣の席が神崎さん……。

左を見たら神崎さんがいる……?!

まって。

心臓が止まらない。

なに?

なんでこんなにドキドキしてるんだろう……?!

なんか、一目惚れ……みたいな?

いやいやいや!!

相手女の子だし!

同性は流石にアレでしょ?!

すると……。

キーンコーンカーンコーン……

「あ、チャイムなったわね。はい、じゃあ新しく神崎さんを迎えて、これから1年頑張っていきましょう。学級委員」

「きりーつ。きをつけー。れーい」

『ありがとうございましたー』

授業が終わる。

私の隣には、神崎さんがいる。

顔のほてりと異常な心拍数を必死に抑えながら、私はこれからどう過ごしていこうか途方に暮れるのだった。