依織の顔立ちは本当にこの田舎町では珍しくそのあまりの美しさに声をかけるやつは当然居た。
それを払いのけるのは俺ではなく夏帆だった。
「もう花火が始まる行こう」
「待ってまだ依織と二人で回るところがあるから先に行ってて」
夏帆が本当に依織が大好きだ。
お揃いのやつでも買うんだろう。そう察した俺は月島と一緒に花火会場へ向かった。
でも一行に二人は来ない。
「遅いね」
月島がそう言ったときにはもう花火があがっていた。
夜空に咲く花…二人は別の場所で見ているのだろうか
いやそれはない…
嫌な予感がした。

