「両手に華だねヒナ」
「自分で言うところが夏帆らしいよ」
「ありがとう」
「褒めてない」
でも実際そうだ。
男にとっては願っても無い話だ。
「夏帆は去年と同じの?」
「違うけど、もう買った」
「早いな」
「夏祭り好きだし今年は少し違うけど」
「三人じゃん」
夏帆も少し変わった日常が嬉しいのだろう。
夏帆は夏休みずっと俺の家に来ては依織と話す。
キャッキャッと騒いだり、テレビの感動ものを見たり泣くかと思ったら依織は「可哀相」
と涙を流していたが夏帆は泣かなかった。
「アンドロイド」と茶化すとお涙頂戴番組に涙なんか出ないとバッサリと切り捨てられた。
やっぱり少し冷たい夏帆も夏帆らしい。