終業式が終わり夏休みの前日。
委員長の用事がない夏帆は依織を何も言わずに連れ出した。
何だ？
後から2人を追いかけたが夏帆はとうとう行動に移したらしい。
仲良くなりたい夏帆は積極的だった。
暫くして2人の笑い声が聞こえてくる。
お互い顔を合わせて笑いあう2人を見て俺は嬉しくなった。
夏帆は今まで女友達なんか居なかった。それを長年良くはないと思っていたが何も出来ず引っかかっていた。
「それでねヒナは小さい時に..」
「何を言う気だ」
「居たんだ」
「帰り道同じなんだから当然」
「じゃまた今度話すね依織」
もう呼び捨てにしていた。
その調子で友達は出来なかったのか。
夏帆が初めて興味を抱いた彼女は誰もが近寄りたいと思う対象なのだろう。
